Parsleyのリハビリ部屋

ちょっと人生に疲れたParsleyが、リハビリのつもりでつらつら言葉を重ねていくブログです。

親愛なる複雑で繊細な世の中の片隅で生きる者たちへ

お仕事柄、主にWebで発表されているマンガを大量に読んで、独断と偏見で紹介記事を書くお仕事をしているわけなのだけど、ちょっと気になるブログエントリーを拝読したので簡単にメモしておこうと思う。 kangaegotochu.hatenablog.com 自分が紹介記事を書く際…

「できることを、ありったけ」な物語には、必ず人の気持ちを揺さぶる力があるという話

『むこうのくに』 「いつもの君と同じで良いじゃない」 「いつもの俺」 「つまり、ありったけ、ってこと」 これは、『ゴブリンスレイヤー』第10巻の、牛飼娘とゴブスレさんとのやりとりの一節。女神官が巻き込まれたトラブルに、「手を貸してやりたいけれど…

二階堂幸先生の短編集『ありがとうって言って』の独特の空気感に魅せられて

二階堂幸さんのことは、Twitterで公開されていた『雨と君と』ではじめて認識した。スケッチブックを手にしたタヌキが女性に拾われる話なのだけど、彼女たちが「芸達者なワンちゃん」として扱っていて、いろいろおかしいのだけど、空気感が独特で惹き込まれた…

『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』がいよいよ核心をチラ見せしてきた件について語りたい

ざっぽん先生の『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』(以下『真の仲間』)について、以前に単なる「追放系」に留まらない正統派ファンタジーだと強調したことがあったのだけど、最新巻の7巻で、…

『ショートショートショートさん』にはマンガならではの面白さと、ちょっとした事を「面白がれる」大切さが込められていた

表紙がオシャレで気になっていたタカノンノさんの『ショートショートショートさん』。2巻が刊行されたこともあって一気に読んだ。 一読して思ったのは、「これはマンガの面白さ」だということ。例えば1巻の最初のコマが、目を両手を使って広げてコンタクトを…

マンガ『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』の世界は泣きたくなるほど優しすぎる

去年の今ぐらいの時期に、ストレスで心身のバランスを崩して失声症になった。喉元にまで言葉が出かかって、そこから息が詰まるような感覚になって、言葉が出てこない。とても慌てたし、「もう声が出ないのかもしれない」と脳裏をよぎりもした。今から思うと…

長編アニメ『泣きたい私は猫をかぶる』は2020年に生きる人への大事なヒントがたくさんあった

(C) 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会 Netflixで配信されている長編アニメ『泣きたい私は猫をかぶる』は、もともと2020年6月に劇場公開される予定だったものが、新型コロナウイルスの自粛を受けて配信という選択になった。このことについては既に…

マンガ『ギャルとぼっち』のひなちゃんの芯の強さと林原ちゃんの優しさが沁みたという話

ネットメディアでお仕事をしている関係で、さまざまな漫画家さんがTwitterなどにアップされている作品を紹介させて頂いている。その度にユーザーの琴線に触れるような話を描くことができていて、みなさんの事を「すごいなぁ」と思うわけなのだけど、その中で…

『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』を読んで考えた、写真を「撮り切る」という事と、記憶が記録を凌駕するという事

10代の頃に、カメラが趣味の一つだった自分にとって、「撮影する」という行為は「作品」を生み出すことだった。さまざまな理由(主に金銭面)でそれをお仕事にする道は捨てたのだけど、廻り廻って今Webメディアでライターをしている私は、時として写真を撮る…

濫用されがちな「かわいい」と、「kawaii」を表現するアーティストが示すもの

撮影:GION ネットメディアでの売文業をしていると、「かわいい」という言葉をどうしても多用してしまいがちになる。特に、タイトルだと「○○可愛い」みたいな表現にバリエーションを加えることもできて、非常に便利でもある。実際に、SNSでは「かわいい」が…

もっとカジュアルにアート作品を買おうというお話

あまりこれまでは明言したことはなかったもしれないが、ギャラリーを開くのが自分の夢。できれば10年以内にパセリビルを建てることができるのがベストなのだけれど、そこまで行けるかどうかは、社会情勢にも左右されるので、コツコツとやっていこうと思って…

小説版とアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を繋げるもの

(C)暁佳奈/京都アニメーション 本来ならば、4月24日に『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が公開されているはずだったが、新型コロナの緊急事態宣言下で延期になってしまった。が、少なくとも私にとっての「愛」とは「いつまでも待てる」もののこ…

ちょっと海野つなみ先生の『回転銀河』の和倉ちゃんについて語らせてほしい

海野つなみ先生の作品は、大ヒット作となった『逃げるは恥だが役に立つ』はもちろん大好きだし、初期作の『デイジー・ラック』も思い出深いし、『小煌女』や『後宮』もいつ読んでもなんだか胸が一杯になるシーンがある。だが、一番を選ぶならばやはり『回転…

宮城・仙台の豆屋『Nelson Coffee Roaster』の『三上洋さん応援セット』はおふざけから生まれた本格派コーヒーでした

三上洋氏といえば、2006年にかの堀江メール問題で証拠とされたメールが偽造だと喝破するなど、赫々たる実績をお持ちのITジャーナリストにしてセキュリティの大家だが、彼がこのネットの片隅でアイドル的な存在だということはあまり知られていない。 その片隅…

チェーンのカフェラテはセガブレードザネッティとドトールが双璧だとおもう

コーヒーは基本的にブラック派な私だけれど、普段頼むのはカフェラテが圧倒的に多い。なんというか、どのブレンドでもそうなのだが、飲むとスイッチは入りすぎてしまうのだ。おそらくカフェインへの耐性は強い方なのだけれど、気分的に「やるぞ~!」ってな…

ちょっと横須賀・追浜の古民家カフェのフレンチトーストについて語らせてほしい

京急本線金沢八景駅の次の追浜。ここの山の上に古民家カフェがあるという話は、ちょくちょく聞いて気になっていた。いわく、オーナーがコーヒーローストの大会で優勝している。いわく、ガレットが本格派。いわく、道が細くてタクシーで行こうとすると断られ…

乙女男子が独断と偏見で選ぶ「悪役令嬢」モノ5選(+1)

(c)KADOKAWA CORPORATION. 2020 メンタル壊してほぼひきこもりの期間が長かった2019年の夏が過ぎ、秋になって少し体調が持ち直してから、文字を読むクセを取り戻そうかと思って、これまでは数える程の作品しか読んでいなかった「なろう系」、それも異世界恋…

もっと「文化人」はプロレスについてどんどん言及してもらいたい!

(c)NJPWWORLD All right reserved. KENTAのTwitterアカウントに、常見陽平先生が絡んでいてめっちゃ笑ったので、ざざっと記しておきたい。彼の1.5東京ドーム大会での乱入については以前に自分なりの見解を書いたので、そちらを参照お願いします。 parsley-re…

なろう発『ロメリア戦記』は本気で「中世」ファンタジー&「戦場」を描いていると思う

すでに書籍化が決定している有山リョウ氏の『ロメリア戦記』は、「はりす」名義で書かれていた頃(参照)から「これは」と感じていた。 魔王を倒した勇者パーティーから、王子のアンリからロメリアが婚約破棄を宣告されるところからはじめる本作。ここからロ…

劇場版『ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-』を観てきた(若干ネタバレありだよ!)

(c)蝸牛くも・SBクリエイティブ/ゴブリンスレイヤーGC製作委員会 TV版『ゴブリンスレイヤー』は、第一話で女神官のパーティーが全滅する過程を蝸牛くも氏の原作小説そのままに凄惨に描き、とりわけ女武道家がゴブリンに蹂躙されるシーンが強いインパクト…

『喫茶西武』のオムライスには、新宿の街の風味がつまっている

新宿東口で、打ち合わせや待ち合わせをする時には『珈琲西武』を使うことが多い。ちょっと上の方なら『談話室滝沢』となるのだろうが、2005年に閉店してしまったこともあって、おぼろげな記憶しかない。自分の中で「新宿」を強く感じる場所といえばここで、…

そうだ、温泉に行こう! 東京・久が原『COCOFUROますの湯』の巻

肩こりがひどくてなおかつ冷え性なので、温泉施設は大好き。できれば週に一回は行きたい。……と、いうと贅沢に聞こえるかもしれないが、東京にも意外に鉱泉は多く、とりわけ多摩川沿いは海藻が眠った地底深くから黒湯が湧いていて、一般的な銭湯っぽい施設で…

チェキだけどパシャパシャ撮ってもOKな『FUJIFILM instax mini LiPlay』を使ってみた

思えば、子どもの頃からカメラは好きだった。お小遣いを2年間貯めてCANON AE-1を買ったのは12歳の時で、近所を走る高崎線の115系を撮りまくって、月刊『カメラマン』に応募とかしていた。その後もAF一眼のモニターに当選して、その時に「広角は見るべきもの…

「料理の描写が秀逸な作品は名作」の法則に『魔道具師ダリヤはうつむかない』はバッチリ当てはまる

異世界転生、婚約破棄からの「ざまぁ」といったものは『小説家になろう』上では外せないテンプレと化していて、そこにどのような味付けをするのか勝負になっている感があるが、甘岸久弥氏の『魔道具師ダリヤはうつむかない』は、そのどれもが含まれていなが…

大して自由が丘が好きでもない乙女男子による自由が丘おすすめスポット5選

自由が丘までは自転車で20分程度なので、頻繁に行く街ではあるのだけど、道が混んでいて走りにくいし、朝はマダムたちがモーニングしているところに出くわして居たたまれない気持ちにさせられるし、休日はどこからやってきたのかわからない人たちがたくさん…

ルノアールで「ノマド」をするならばホットミルクティーを注文すべき理由

最近、ひきこもりから脱出して都内に行くことがだんだんと増えて、喫茶店をはしごすることも多くなった。そんな時、某所でスターバックスで作業をする「ノマド」を腐す記事を見かけた。 私は会社都合退職をして転職活動をして全敗し、それまで副業だった売文…

パンケーキ好きの乙女男子が蒲田の純喫茶『チェリー』に通うようになった理由

パンケーキブームと言われて久しいけれど、自分は子どもの頃からホットケーキが大好物だったので、まぁ「マニア」の部類に入ると思う。カフェのメニューの中にパンケーキがあればひとまず注文してみるし、たいていのものならば美味しく頂く。昨今は冷凍のも…

新日本プロレス東京ドーム大会でのKENTA「蹴撃」に考えさせられたこと

年明けの新日本プロレス東京ドーム大会二連戦と翌日の大田区体育館大会は、『NJPW WORLD』の生配信で観戦した。個人的なベストバウトは断然、IWGPジュニアの高橋ヒロムvsウィル・オスプレイ戦だったのだけれど、ひとまずここでは1.5のエンディング、内藤哲也…

『シン・ゴジラ』の「タバ作戦」で多摩川浅間神社を指揮所にしたのは妥当なのか考えてみた

あけましておめでとうございます。2020年もよろしくお願いいたします。 初詣は元旦二日に川向うの多摩川浅間神社まで行ってきた。すると、早くも映画『シン・ゴジラ』とコラボした絵馬もいくつか見かけることができた。 thetv.jp ここで、ちょっと疑問に思っ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』にとっての「愛してる」は「恋愛」ではなく「思慕」だという話

(c)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会 年の瀬にも関わらず、知人と来年春に新作映画が公開される『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』について語り合っていたので、忘れずにメモしておきたい。それは、この作品にお…