もっと「文化人」はプロレスについてどんどん言及してもらいたい!
KENTAのTwitterアカウントに、常見陽平先生が絡んでいてめっちゃ笑ったので、ざざっと記しておきたい。彼の1.5東京ドーム大会での乱入については以前に自分なりの見解を書いたので、そちらを参照お願いします。
常見先生といえば、社畜論やライフハックに関して、極めて現実的な見解を、ロックに語り、自ら「若き老害」を名乗るイカした存在。また、一橋大学時代に学生プロレスにのめり込んだ過去を大切にしていらっしゃって、以前に本間朋晃や高山善廣がリングで大怪我した際に熱いエントリーを発表していた。
そんな常見先生、KENTAの「デ・ハポン」締めキャンセルにいたくお怒りだったらしく、ツイートを連投していたのを、クソリプ拾いが日課となっていたKENTAが言及したのだ!
まさにその代表みたいな奴が現れた。あなたが何者か存じなくて申し訳ないが、アンチを牽引してください。
— KENTA (@KENTAG2S) 2020年2月5日
任せた。 https://t.co/xtj6kz5dFK pic.twitter.com/q7h1Zel4HN
このツイート、ちょうど『新日本プロレスワールド』のバックステージコメントで、内藤哲也へのコメントをTwitterで返した文章を映すという編集にゲラゲラ笑っていたタイミングで知ったので、「おなかよじれる!!」となってしまった。本当にどっちも最高です。
KENTA spells it all out for Naito! (New Beginning)
まぁ、常見先生のツイートに対して、「軽々しく三沢さんの名前出すな」とKENTAは返していて、個人的にも名前を出すなら小橋建太の方だし、今のKENTAに三沢さん要素感じるとすれば「指ワイパー」くらいだと思うのだけど。とはいえKENTAがNOAH時代に見せていたファイトと比較するとまだ物足りないのは確かで、ヒールとしてもNO MERCY時代の方が好みではある。だが、一方でTwitterやバックステージコメント、さらには日本語に加えて英語を駆使して発信するというスタイルはこれまでの日本人レスラーにはおらず、海外展開を目論む新日本プロレスとしては貴重な人材だとも感じる。そういったところも含めて、常見先生のように「作られたヒール」と感じるファンもいるのだろうし、全盛期NOAHの頃の殺伐とした「蹴撃」を期待してしまうファンも多いのだろう。これだけ賛否両論が渦巻いている時点で、既に成功とも考えられる。
そういう意味で常見先生がKENTAに噛み付いたというのは大きくて、プロレスファンの「文化人」がリングの話題を自分の好み全開で公でするというのは、本当の意味でのプロレス人気復活には欠かせないと思う。
自分は世代的に前田日明とUWF時代のリングの熱を知らない。だが大塚英志氏の論評を通じて、当時の「文化人」たちがこぞって後楽園ホールのリングに足を運び、「なにか」を感じて語っていたという時代があったことは歴史として理解している。ブシロード体制の新日本プロレスは、アイドルや芸人とのリンクが増え、サブカルチャーとしての立ち位置は確保された。だが、そこからメジャーに至るまでの「なにか」が足りない。もしかして、その「なにか」は「文化人」の言及なのではないか。
だから、分かろうが分かるまいが、TVや配信番組のコメンテーターとして活躍できるレベルの「文化人」に、もっとプロレスについて言及してもらいたい。それが、長年プロレスが戦い続けていた「世間」につながるし、そうなった際には今回の「KENTA vs 常見陽平」がクローズアップされるだろう。
少なくとも個人的な大阪大会への期待度は、常見先生のおかげで上がった。内藤哲也が“あの”大阪で「デ・ハポン」締めをするというのも熱いし、KENTAが勝てばさらにカオスになっていくだろう。とにかく今から楽しみだ。