Parsleyのリハビリ部屋

ちょっと人生に疲れたParsleyが、リハビリのつもりでつらつら言葉を重ねていくブログです。

ライトノベル

「できることを、ありったけ」な物語には、必ず人の気持ちを揺さぶる力があるという話

『むこうのくに』 「いつもの君と同じで良いじゃない」 「いつもの俺」 「つまり、ありったけ、ってこと」 これは、『ゴブリンスレイヤー』第10巻の、牛飼娘とゴブスレさんとのやりとりの一節。女神官が巻き込まれたトラブルに、「手を貸してやりたいけれど…

小説版とアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を繋げるもの

(C)暁佳奈/京都アニメーション 本来ならば、4月24日に『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が公開されているはずだったが、新型コロナの緊急事態宣言下で延期になってしまった。が、少なくとも私にとっての「愛」とは「いつまでも待てる」もののこ…

乙女男子が独断と偏見で選ぶ「悪役令嬢」モノ5選(+1)

(c)KADOKAWA CORPORATION. 2020 メンタル壊してほぼひきこもりの期間が長かった2019年の夏が過ぎ、秋になって少し体調が持ち直してから、文字を読むクセを取り戻そうかと思って、これまでは数える程の作品しか読んでいなかった「なろう系」、それも異世界恋…

なろう発『ロメリア戦記』は本気で「中世」ファンタジー&「戦場」を描いていると思う

すでに書籍化が決定している有山リョウ氏の『ロメリア戦記』は、「はりす」名義で書かれていた頃(参照)から「これは」と感じていた。 魔王を倒した勇者パーティーから、王子のアンリからロメリアが婚約破棄を宣告されるところからはじめる本作。ここからロ…

「料理の描写が秀逸な作品は名作」の法則に『魔道具師ダリヤはうつむかない』はバッチリ当てはまる

異世界転生、婚約破棄からの「ざまぁ」といったものは『小説家になろう』上では外せないテンプレと化していて、そこにどのような味付けをするのか勝負になっている感があるが、甘岸久弥氏の『魔道具師ダリヤはうつむかない』は、そのどれもが含まれていなが…

『ゴブリンスレイヤー』のキャラでは孤電の術士が断然好きだ

蝸牛くも氏の『ゴブリンスレイヤー』について、今更仔細を説明する必要はないだろう。2018年冬に放映されたアニメの評価も高く、2019年2月には新作映画が控えている。単行本本編も11巻を数えるが、雪山・エルフの森・シティアドベンチャー・砂漠と毎回趣向を…

なろう小説『Everlasting』に胸が締め付けられた理由

※画像はイメージです。 『小説家になろう』のランキング上位には、だいたい異世界転生・領地経営・ダンジョン攻略・悪役令嬢・婚約破棄ものが読まれやすい傾向がずっと続いていて、書籍化やマンガ化する作品もこのジャンルがほとんどだ。それを否定的に捉え…

『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』は正統派ファンタジーだと思う件

ライトノベルの黎明期だった90年代のグループSNEと『ソードワールド』『ロードス島戦記』を出すまでもなく、TRPGとの関係が深いのは言うまでもないのだが、現在の『小説家になろう』をはじめとするファンタジー系の作品を読んでみても、ゲームの世界観に近い…