Parsleyのリハビリ部屋

ちょっと人生に疲れたParsleyが、リハビリのつもりでつらつら言葉を重ねていくブログです。

もっとカジュアルにアート作品を買おうというお話

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 あまりこれまでは明言したことはなかったもしれないが、ギャラリーを開くのが自分の夢。できれば10年以内にパセリビルを建てることができるのがベストなのだけれど、そこまで行けるかどうかは、社会情勢にも左右されるので、コツコツとやっていこうと思っている。

 そのコツコツの一環でもあるのだけど、好きな画家さんやアーティストさんの作品の収集を少しずつはじめている。最近では、『暗黒メルヘンシリーズ2 夜間夢飛行』を上梓された最合のぼる先生とたまさんがコラボしたコラージュ「夜の彼方へ」を手元に迎え入れた。

 この「夜の彼方へ」は、『灰かぶり姫』をモチーフに想像の翼を闇へと広げた『夜間夢飛行』で、極めて重要なページを彩っている。何度読み返してみても、このシーンでページをめくる手が止まるということだけに、銀座のヴァニラ画廊の刊行記念展で実際にコラージュを目にして、額縁からキラキラと零れ落ちるようなラメの箔が施されているところに、惹かれた。最合先生によれば、それは「少女の泪」ということらしい。とても素敵だな、と思った。

 

 自分自身、振り返れば祖母が絵を描く人で、家には西洋絵画の図録がたくさんあったし、澁澤龍彦の著作によって「見方」を学んだ。20歳前後の頃にはデパートの美術展に通いまくった。だから、コレクターという存在はひどく遠いものに感じていた。

 とはいえ、2007年頃より小さな画廊にも足を運ぶようになって、自分の琴線に触れるアーティストが見つかるようになった時に、「思ったほど高くないんだな」と気づいた。これなら、自分にも「収集」ということができるかもしれない、と。

 

 もうひとつ。2000年代後半から現在に至るまでの「少女画」の系譜は、「カワイイ文化」と一緒くたに捉えてしまうのは簡単だが、実態はどろどろした、割り切れない、呪いのような、黒ずんだ想いが、我慢しきれずに表出してしまったという作品が多数生まれている。それを多数の画家が競うように描いていて、さらに一部に熱狂的な支持者がいるということに意味がある。端的に言って、時代を切り取る作品には力がある。そのイマジネーションは、集める価値がある。

 

 前述したように、オークションで目が飛び出るような価格で取引きされるような作品を「アート」とイメージしがちだが、実際に画廊に足を運べば、「ちょっと背伸びすれば買えるな」という作品は数多ある。自分のその価値がある、と感じた作品は手にする。そういった文化がもっと広がればいいし、自分もちょっと財布の紐を緩めてもいいくらいの心づもりでいようと、今は考えている。

 

 

夜間夢飛行〜暗黒メルヘン絵本シリーズ2 (TH ART SERIES)

夜間夢飛行〜暗黒メルヘン絵本シリーズ2 (TH ART SERIES)

  • 作者:最合 のぼる
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)